サウンドノベルゲームをフルボイス化する方法(ITHと棒読みちゃんでゲームを自動読み上げ)
サウンドノベルゲームのテキストを抽出して、クリップボードにコピーをすることができるITHとクリップボードにコピーされた文章を読み上げることができる棒読みちゃんでサウンドノベルゲームをフルボイス化できます。
棒読みちゃんの正規表現の登録により、パートボイス以外の部分を読み上げることができます。
- 1 ITHと棒読みちゃんをダウンロード
- 2 ITHの設定
- 3 棒読みちゃんの設定
- 4 基本的使用方法
- 5 主人公のセリフと地の文のみを自動読みあげ
- 6 Hコード(H-code)の適用
- 7 リンク機能の設定-名前と本文の結合
1 ITHと棒読みちゃんをダウンロード
(1) ITH(interactive-text-hooker)のダウンロード
ITHは、海外ゲームのテキストを抽出して、日本語に翻訳するために作成されたソフトです。これを利用してゲームをフルボイス化に利用できます。
ITHは、ITHVNR-3.4152.0、ITH-project-2.3-110709、ITH_2014-04-02などがあります、ここでは、対応ゲームの多いITHVNRのダウンロード方法を説明します。
- ITHVNR-3.4152.0のダウンロード
http://www.hongfire.com/forum/showthread.php/438331-ITHVNR-ITH-with-the-VNR-engine
※ ITHVNRの起動には別途、Visual C++ Redistributable Packages for Visual Studio 2013のvcredist_x86.exeのインストールが必要です。)
(2) 棒読みちゃん (製作者 みちあき様)のダウンロード
(http://chi.usamimi.info/Program/Application/BouyomiChan/)
- 棒読みちゃんのダウンロード
2 ITHの設定
(1) ITHの起動
ダウンロードしたITHを解凍して、実行ファイル(ITHVNR.exeやITH.exe)をダブルクリック。
使っている環境によっては、画像のようなエラーが出る時があります。
その時は、右クリックから"管理者として実行"を押して実行する必要があります。
起動しようとしているITHの種類によっては、Visual C++ Redistributable Packages for Visual Studio 2013のインストールをしていない場合、以下のようなエラーが発生しますので、 Visual C++ Redistributable Packages for Visual Studio 2013のvcredist_x86.exeのインストールを行う必要があります。
ITHをが起動します。
(2) ITHの設定
Optionボタンを押して表示されるOptionダイアログのAuto copy to clipboardのチェックボックスにチェックを入れてOKをおします。
Auto copy to clipboardにチェックを入れてOK
(参考) ITH起動・設定GIF動画
3 棒読みちゃんの設定
棒読みちゃんで最低限行う設定は「クリップボード監視」機能をオンにすることだけです。この設定でコピーの操作等によりクリップボードに保存されたテキストを棒読みちゃんが読み上げるようになります。
(1)初回起動時の設定する場合
棒読みちゃんの初回起動時に【クリップボード監視】のポップアップ時のみはい
を選択します。
(2)初回起動時以外に設定する場合
棒読みちゃんを起動し、【その他】→【プラグイン】タブにある「クリップボード監視」項目だけにチェックします。
(3)その他
(1)又は、(2)の設定を適切に行った場合は、クリップボードマークが色付きになります。このクリップボードマークを左クリックすることでも「クリップボード監視」をオン・オフにできます。また、「音量」「速度」「音程」の設定も画像の画面で設定することができます。個人的には、速度は最大の200、音程は100が最適であると思います。
4 基本的使用方法
ゲームとITHと棒読みちゃんを起動します。
ITHの起動後、ITHの左上のProcessをクリックし、processのリスト上にあるゲーム実行ファイルを選択し、Attach → OK
ゲーム中のテキストを表示された後、ITHの0000:0000:0xFFFFFF:0xFFFFFF:0xFFFFFF:ConsoleOutputと表示されている箇所をクリックし、
ゲームのテキストが抽出されているスレッド(例:0002:2364:0x0050566C:0x0050B8CB:0x00000018:KiriKiri1)を探し、選択します。
ITHで抽出したテキストを棒読みちゃんが読み上げてくれます。
※使用しているパソコンの設定により、ITHは右クリック→管理者として実行をする必要があります。
5 主人公のセリフと地の文のみを自動読みあげ
前項までに記載した方法で、棒読みちゃんによりゲームから抽出された全テキストを読みあげることができますが、最近のゲームほとんどは主人公のセリフと地の文以外は、音声が入っています。したがって、棒読みちゃんにより全テキストを読み上げさせた場合、ゲーム本来の音声と棒読みちゃんの読みあげが被ってしまいます。
ここで、棒読みちゃんの辞書登録機能により主人公のセリフと地の文のみを自動読みあげするように設定することができます。
ITHにこのように表示される時の棒読みちゃんの設定
ITHでゲームのテキストを抽出した結果、下画像のように表示された場合の説明をします。太陽が主人公の名前で、主人公と地の文のみ読み上げをしたいと思います。
棒読みちゃんの辞書登録タブ→発音タブ→正規表現タブに以下のように入力を行い、新規追加ボタンを押します。 この設定により、「」がつく部分の読み上げをしないことになります。
優先度 | 1~ | ※文字の長さにより、自動表示されますが、表示されるままで問題ありません。優先度が高いほど、変換の順序が早くなります。 |
探索文字列 | 「 | |
正規表現 | .*「.*」 | |
置換後 | ※空欄もしくはスペース |
次に、棒読みちゃんの辞書登録タブ→発音タブ→単純置換タブに以下のように入力を行い、新規追加ボタンを押します。
優先度 | 1~ | ※文字の長さにより、自動表示されますが、表示されるままで問題ありません。優先度が高いほど、変換の順序が早くなります。 |
探索文字列 | 太陽「 | ※ITHに表示される主人公の名前を入力 |
置換後 | ※空欄もしくはスペース |
下画像のように主人公のセリフと地の文のみ読み上げられるようになります。
様々なパターンの、棒読みちゃんの辞書登録例は、 棒読みちゃんの基本登録例(読上げのための基本登録例)を参照してください
6 Hコードの適用
ITHは全てのゲームに対応している訳ではありません。
ITHがうまく機能しないゲームでもゲーム内のコンフィグ設定やレジストリでFONT設定を変更すれば機能することもあります。
それでも駄目な場合は、ITHにHコードを適用すれば、機能させることができます。Hコードを探すためには、OllyDbgなどのソフトで解析を行う必要があります。
Hコード適用には、ITHのコマンドライン(2行目右側空欄)にHコードを入力してEnterを押します。
使用可能なHコードは、Hコード(H-code)一覧表を参照してください。
7 リンク機能の設定-名前と本文の結合
先に説明をしたように、ITHのゲームテキスト表示が、"キャラの名前「セリフ」"といった形式であれば、棒読みちゃんで、ゲームのフルボイス化(主人公のセリフと地の文のみを自動読みあげ)が可能となります。しかし、使用するゲームによっては、キャラの名前とテキストが別々のスレッド(別々の場所)に表示されることがあります。そのような場合には、ITHのリンク機能を使用することで、それぞれのスレッドを結合して、
キャラの名前「セリフ」
といった形式で表示させることで棒読みちゃんでフルボイス化が可能となります。
スレッドの結合には、ITHのコマンドライン(参考:ITHの画面構成)にコマンドを入力してEnterを押すことで、適用することができます。入力するコマンドは、
【ITHVNRの場合】
:L①-②
【ITHの場合】
L①-②
という形になります。
※①と②には、結合したいスレッド番号を入力します。上のコマンドでは、①のスレッドを②のスレッドに結合するという形になります。
例えば、キャラの名前が0003スレッドに表示され、セリフが0005スレッドに表示されているスレッドを統合するには、
【ITHVNRの場合】
:L3-5
もしくは、Lは小文字で
:l3-5
【ITHの場合】
L3-5
もしくは、Lは小文字で
l3-5
とコマンドラインに入力してENTERを押下することで、スレッド0005にテキストが結合された状態で、表示されます。